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弱コンパクト基数(WCC; weakly compact cardinal)は、色々な形で定義される大きな基数である。例えば、次のように定義される。

集合\(x\)に対し、\([x]^2\)で\(x\)の2要素の部分集合全体の集合を表す。非可算基数\(\kappa\)が弱コンパクトであるとは、いかなる関数\(f: [\kappa]^2 \mapsto \{0, 1\}\)に対しても、\(|S| = \kappa\)を満たす部分集合\(S \subseteq \kappa\)であって\([S]^2\)の全要素がすべて\(f\)で同じ値に写るものが存在するということである。
より直感的には、完全グラフ\(K_\kappa\)の辺を二色に塗り分ける時、サブグラフとして\(K_\kappa\)自身と同型な単色のグラフを含むということである。

WCCは常に到達不可能かつマーロ基数で、公理的集合論におけるZFCではWCCの存在が証明可能でない(ただしZFCが無矛盾であるとする)。これはZFCでWCCが存在しないという意味ではなく、実際ZFCに「WCCが存在する」という公理を加えた集合論は無矛盾であると推測されている。

WCCは英語では"the" weakly compact cardinal \(K\)とも呼ばれる。巨大数論者にとって、\(K\)やその他のWCCは順序数崩壊関数を通じて利用されるとても便利なものである。

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