名前の付いた順序数の一覧は、エポニムを含む、何らかの名前が与えられている超限順序数の一覧である。

以下の表は原則的に大きさの順に並べられているが、未検証なものや未定義なものなどは表を分けて掲載している。また、名前の命名は定義した本人によるもの、他の数学者によるもの、グーゴロジストによるものが混在している (すなわち、広く一般的な名称でないものも載っている) ことに注意すること。

一覧

略記/
記号
名前 説明/補足
\(\omega\) オメガ 最小の無限順序数。
\(\varepsilon_0\) イプシロン・ノート \(\omega^\alpha=\alpha\)を満たす最小の順序数。イプシロン・ゼロとも。
ペアノ算術の証明論的順序数
\(\Gamma_0\) フェファーマン・シュッテの順序数 ヴェブレン関数において\(\varphi_\alpha(0)=\alpha\)が成り立つ最小の順序数。
そのままガンマ・ゼロと呼ばれることも。
アッカーマン順序数 多変数ヴェブレン関数で\(\varphi(\varphi(0),0,0,0) = \varphi(1,0,0,0)\)と表される順序数[1]
\(\mathrm{SVO}\) 小ヴェブレン順序数
Small Veblen ordinal
\(0\)と\(+\)と多変数ヴェブレン関数を用いて表せない最小の順序数。
超限変数ヴェブレン関数では\(\begin{pmatrix}\begin{pmatrix}0\\ 0\end{pmatrix}\\ \begin{pmatrix}\begin{pmatrix}0\\ 0\end{pmatrix}\\ 0\end{pmatrix}\end{pmatrix} = \begin{pmatrix}1\\ \omega\end{pmatrix}\)と表される。
\(\mathrm{LVO}\) 大ヴェブレン順序数
Large Veblen ordinal
\(0\)と\(+\)と超限変数ヴェブレン関数を用いて表せない最小の順序数。
あるいは、\(\begin{pmatrix}1\\ \alpha\end{pmatrix}=\alpha\)となる最小の順序数。
ブーフホルツのψ関数で\(\psi_0(\psi_1(\psi_1(\psi_1(\psi_1(0)))))) = \psi_0(\Omega^{\Omega^{\Omega}})\)と表される。
\(\mathrm{BHO}\) バッハマン・ハワード順序数
Bachmann-Howard ordinal
ブーフホルツのψ関数で\(\psi_0(\psi_2(0)) = \psi_0(\varepsilon_{\Omega+1})\)と表される。
\(\rho \mathrm{O}\) ρ ordinal mrnaが命名。ブーフホルツのψ関数
\(\psi_0(\psi_2(\psi_2(\psi_2(\psi_0(0))))) = \psi_0(\psi_2(\psi_2(\psi_2(1))))\)
と表される。
\(\mathrm{BO}\) ブーフホルツ順序数
Buchholz ordinal
ブーフホルツのψ関数で\(\psi_0(\psi_{\omega}(0))\)。
\(\Pi^1_1\textsf{-CA}_0\)の証明論的順序数
\(\mathrm{TFBO}\) 竹内・フェファーマン・ブーフホルツ順序数
Takeuti-Feferman-Buchholz ordinal
ブーフホルツがψ関数に関連して定義した順序数表記[2]で標準的な順序数への対応
によって表せない最小の可算順序数 (もしくは\(D_1 0\)と表される順序数)。
あるいは\(0\)と\(+\)とブーフホルツのψ関数で表せない最小の可算順序数。 (ただし\(0,+,\psi\)で表せない\(\varepsilon_{\psi_{\omega}(0)+1}\)を用いれば\(\psi_0(\varepsilon_{\psi_{\omega}(0)+1})\)と表される)。
拡張ブーフホルツのψ関数で\(\psi_0(\psi_{\psi_0(\psi_0(0))+\psi_0(0)}(0)) = \psi_0(\psi_{\omega+1}(0))\)と表される。
\(\mathrm{EBO}\) 拡張ブーフホルツ順序数
Extended Buchholz ordinal
叢武が命名。\(0\)と\(+\)と拡張ブーフホルツのψ関数で表せない最小の可算順序数。
あるいはp進大好きbotが拡張ブーフホルツのψ関数に関連して定義した順序数表記[3]
標準的な順序数への対応によって表せない最小の可算順序数 (もしくは\(\langle \langle () , () \rangle, ()\rangle\)の順序型と表される順序数)。
323233順序数 mrnaが命名。ラティエンのψ関数で
\(\psi_{\chi_0(0)}(\chi_0(\varphi_0(\varPhi_1(0)+\varPhi_1(0))))\)と表される。
多変数段階配列表記において
\((0,0,((0,0,0),0,0)+(0,((0,0,0),0,0)+(0,((0,0,0),0,0),((0,0,0),0,0)),0))\)
\(= (0,0,(1,0,0)+(0,(1,0,0)+(0,(1,0,0),(1,0,0)),0))\)、
くまくま3変数ψにおいて
\(\psi_0(0,\psi_{\psi_0(0,0)}(0,0)+\psi_0(\psi_{\psi_0(0,0)}(0,0)+\psi_0(\psi_{\psi_0(0,0)}(0,0),\psi_{\psi_0(0,0)}(0,0)),0))\)
\( = \psi_0(0,\psi_{$1}(0,0)+\psi_0(\psi_{$1}(0,0)+\psi_0(\psi_{$1}(0,0),\psi_{$1}(0,0)),0))\)
に対応することが期待されている。
\(\omega_1^\text{CK}\) チャーチ・クリーネ順序数 最小の非再帰順序数。
\(\omega_1\) 第一非可算順序数
最小の非可算順序数
濃度が可算でない最小の順序数。定義よりこれは基数である。
連続体仮説を仮定した場合、その濃度は連続体濃度\(\aleph=\vert\mathbb{R}\vert\)に等しい。
オメガ不動点 \(\text{ON} \to \text{ON}, \ \alpha \mapsto \omega_{\alpha}\)の最小の不動点。
巨大数論においては\(\Omega_{\Omega_{\Omega_{\cdot_{\cdot_{\cdot}}}}}\)やOFPと表記されることが多いが、学術論文においては
\(\varPhi_1(0)\)とも書かれる[4]
\(I\) 最小の弱到達不能基数 "巨大基数"の非形式的な基準値としても使われる。巨大数論においては非可算基数の数え上げを用いた順序数崩壊関数と共に用いられる。
\(M\) 最小の弱マーロ基数 巨大数論においては高次の正則性を用いた順序数崩壊関数と共に用いられる。
\(K\) 最小の弱コンパクト基数 巨大数論においては高次の弱マーロ性を用いた順序数崩壊関数と共に用いられる。また、一般に\(\Pi^1_n\)-記述不可能基数を表すこともある。

未検証なもの

原則的に、定義は与えられているが大きさの評価 (もしくはその順序数の存在) が未解決なものがこの節の対象となる。従って、同一体系内で定義されているものに関しては大きさの順となる (予想される) が、異なる体系で定義されたものに関してはほとんど何もわかっていないことに注意すること。ただし順序数を直接定めない巨大数表記においては、項が直接は順序数を「表す」わけではないが、適切な方法で順序数に「対応する」ことに注意する。詳しくは基本列が定める順序数への対応を参照。

略記/記号 名前 説明
\(\textrm{KBHO}\) くま・バッハマン・ハワード順序数
Kuma-Bachmann?Howard ordinal
甘露東風が命名。くまくま3変数ψにおいて\(\psi_0(0,\psi_{\psi_0(0,0)+\psi_0(0,0)}(0,0))\)に対応する順序数。
\(\textrm{KBO}\) くま・ブーフホルツ順序数
Kuma-Buchholz ordinal
甘露東風が命名。くまくま3変数ψにおいて\(\psi_0(0,\psi_{\psi_0(0,\psi_0(0,0))}(0,0))\)に対応する順序数。
\(\textrm{EKBO}\) 拡張くま・ブーフホルツ順序数
Extended Kuma-Buchholz ordinal
甘露東風が命名。くまくま3変数ψの上限に対応する順序数。
\(\textrm{KKBHO}\) くまくま・バッハマン・ハワード順序数
KumaKuma-Bachmann?Howard ordinal
甘露東風が命名。くまくま4変数ψにおいて\(\psi_0(0,0,\psi_{\psi_0(0,0,0)+\psi_0(0,0,0)}(0,0,0))\)に対応する順序数。
\(\textrm{KKBO}\) くまくま・ブーフホルツ順序数
KumaKuma-Buchholz ordinal
甘露東風が命名。くまくま4変数ψにおいて\(\psi_0(0,0,\psi_{\psi_0(0,0,\psi_0(0,0,0))}(0,0,0))\)に対応する順序数。
\(\textrm{EKKBO}\) 拡張くまくま・ブーフホルツ順序数
Extended KumaKuma-Buchholz ordinal
甘露東風が命名。くまくま4変数ψの上限に対応する順序数。
\(1\textrm{-SOO}\) 1-stage omega ordinal mrnaが命名。多変数段階配列表記の上限に対応する順序数。
First shift ordinal じぇいそんが命名。ε関数の上限に対応する順序数。
ファーストバックギア順序数 バシクが命名。バシク行列システムで\((0,0,0)(1,1,1)(2,2,0)\)に対応する順序数[5]
セカンドバックギア順序数 バシクが命名。バシク行列システムで\((0,0,0)(1,1,1)(2,2,1)(3,3,0)\)に対応する順序数[5]
オメガバック順序数 バシクが命名。バシク行列システムで\((0,0,0)(1,1,1)(2,2,2)\)に対応する順序数[5]
Y sequence ordinal ゆきとが命名。Y数列で\((1,\omega)\)に対応する順序数。

関連項目

参考文献

  1. W. Ackermann. Konstruktiver Aufbau eines Abschnitts der zweiten Cantorschen Zahlenklasse, Math. Z., 53 (5): 403?413, 1951. doi:10.1007/BF01175640
  2. Buchholz, W.: A new system of proof-theoretic ordinal functions. Annals of Pure and Applied Logic, 32 195-207 (1986). doi:10.1016/0168-0072(86)90052-7
  3. ユーザーブログ:P進大好きbot/拡張Buchholz_OCFに伴う順序数表記
  4. Rathjen, M.: Ordinal notations based on a weakly Mahlo cardinal. Archive for Mathematical Logic 29(4) 249-263 (1990). doi:10.1007/BF01651328
  5. 5.0 5.1 5.2 Bashicu: ユーザーブログ:BashicuHyudora/バシク行列の解析. (2015)
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