\(\Gamma_0\)("ガンマゼロ"とよみ、フェファーマン・シュッテの順序数 (Feferman–Schütte ordinal) としても知られている)とは、ヴェブレン階層で表されない最小の順序数である。形式的には、\(\alpha \mapsto \varphi_{\alpha}(0)\)の最小の不動点であり、非形式的に\(\varphi_{\varphi_{\varphi_{._{._..}.}(0)}(0)}(0)\)と表されることもある。

歴史

フェファーマンとシュッテは独立に形式体系の可述性 (predicativity) を分析するためにこの順序数を用いた[1][2][3]。可述性は、簡単に言えば、循環や再帰を含まないように直接定義、あるいはナイーブに表現できるという意味である。この意味で最小の極限順序数 \(\omega\) は(有限の順序数が可述的であるということとは対照的に)非可述的である。しかし、自然数全体の集合 \(\omega\) を認めない数学はあまりにも制限が強く、よって \(\omega\) を容認した上で、言い方を変えれば \(\omega\) をオラクルとした上での可述性というのが考えられた。例えば構成可能集合の \(L_{\alpha+1}\) は \(L_\alpha\) が可述的であるとき、可述的であることが分かる。このように後続順序数の場合は可述的であるのは分かるが極限順序数であるときに可述的であるかは簡単には分からない。そこで順序数の自律性条件 (autonomous condition) というのが考えられた。これは既に可述的だと認められた体系から,その順序数の順序型での超限帰納法が証明可能であるとき、順序数が可述的であるとし、自律性条件を満たしながらの再帰で定義できるようなものを可述的である、と定めた。そして可述的な順序数の上限が \(\Gamma_0\) となる。

性質

フェファーマン・シュッテの順序数は2階算術のサブシステムである ATR0証明論的順序数として重要である。拡張されたヴェブレン関数では \(\varphi(1,0,0)\) であり、フェファーマンの\(\theta\)では \(\theta(\Omega,0)\) であり、ウェイヤーマンのϑでは \(\vartheta(\Omega^2)\) であり、ブーフホルツのψ関数では \(\psi_0(\Omega^\Omega)\)であり、イェーガー・ブーフホルツのψ関数では \(\psi_{\Omega_1}(0)\) である。

参考文献

  1. S. Fefermann. Systems of Predicative Analysis”, Journal of Symbolic Logic, 29(1): 1–30. 1964.
  2. K. Schütte. Eine Grenze für die Beweisbarkeit der transfiniten Induktion in der verzweigten Typenlogik, Archiv für Mathematische Logik und Grundlagenforschung, 7(1–2): 45–60, 1964.
  3. K. Schütte. Predicative Well-Orderings, in J.N. Crossley and M.A.E. Dummett (eds.), Formal Systems and Recursive Functions, (Studies in Logic and the Foundations of Mathematics, 40), Amsterdam: North Holland, 280–303, 1965.
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