巨大数研究 Wiki
Advertisement

ヒッチハイク数 (Hitchhiker's number) は、ダグラス・アダムズが著した『銀河ヒッチハイク・ガイド』に登場する微小数。その値は媒体にとって異なる。

概要[]

ヒッチハイク数は、『銀河ヒッチハイク・ガイド』内にて、宇宙空間に放り出された後、30秒以内に宇宙船が偶然通りかかって救出される確率として登場する。そのためヒッチハイク数は本来は微小数なのであるが、それを逆数にした巨大数の方がしばしば取り上げられる。

主人公アーサーと友人とフォードは、真空の宇宙空間に放り出され、30秒以内に窒息死してしまう。そこに宇宙船「黄金の心」号が近くを通りかかり救出され、そしてその確率が登場する。『銀河ヒッチハイク・ガイド』の設定では、「黄金の心」号には無限不可能性ドライブという、不可能に近い偶然を一時的に可能にしてしまう装置が搭載されており、2人が宇宙空間にいた時、「黄金の心」号はこれを起動中であった。これによってヒッチハイク数程度のほぼ不可能な "偶然" を実現した、となっている。

[]

ヒッチハイク数の値は媒体によって異なり、基本的には原作か映画版の値が引用される。

分類 ヒッチハイク数 近似値 逆数の近似値 出典
原作小説 \(2^{-276709}\) \(1.95402\times10^{-83298}\) \(5.11765\times10^{83297}\) [1][2]
誤った?値 \(2^{-267709}\) \(3.63824\times10^{-80589}\) \(2.74859\times10^{80588}\) [3][4]
TVシリーズ \(2^{-260199}\) \(1.97769\times10^{-78328}\) \(5.05640\times10^{78327}\) [5][6]
2005年版映画 \(2^{-2079460347}\) \(5.74340\times10^{-625979940}\) \(1.74113\times10^{625979939}\) [7]

誤ったと思われる小説の\(2^{-267709}\)は、原作小説の\(2^{-276709}\)と比較すると4桁目と5桁目の数字の入れ替えである。日本語版の旧訳に観られるが、英語圏の情報でもしばしばこの値が登場するため、英語版もどこかの版では誤りが発生した可能性がある。

\(\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}\left(1-\frac{1}{n}\right)^{n\ln2}=0.5\)より、ヒッチハイク数に従えば、原作の場合は\(3.54727\times10^{83297}\)人、映画の場合は\(1.20685\times10^{625979939}\)人を宇宙に放り出せば、少なくとも1人が無限不可能性ドライブなしに救出される確率が50%を超える (作中では2人なので人を組に変える必要があるが) 。ただし、観測可能な宇宙の体積が高々\(3.57\times10^{80}\text{m}^3\)であることを考慮すると、30秒以内に宇宙船に出会う確率はヒッチハイク数よりは高そうである。

出典[]

  1. Douglas Adams. "The Ultimate Hitchhiker's Guide to the Galaxy : Five Novels in One Outrageous Volume (Hitchhiker's Guide to the Galaxy)". Del Rey Books, 2002; 54. ISBN 978-0-345-45374-7
  2. ダグラス・アダムス (訳: 安原和見) . "銀河ヒッチハイク・ガイド". 河出文庫, 2005; 106. ISBN 978-4-309-46255-4
  3. ダグラス・アダムス (訳: 風見潤). "銀河ヒッチハイク・ガイド" 新潮社, 1982; ISBN 978-4-102-19601-4
  4. Robert Munafo. "2.74858523...×1080588 = 2267709". Notable Properties of Specific Numbers, Page 20.
  5. Robert Munafo. "5.05640407...×1078327 = 2260199". Notable Properties of Specific Numbers, Page 20.
  6. "Universe". Hitchhikers | Fandom.
  7. "The Hitchhiker's Guide to the Galaxy". (2005) directed by Garth Jennings, screenplay by Douglas Adams & Karey Kirkpatrick.

関連項目[]

Advertisement