巨大数研究 Wiki
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ハイパー原始ψ関数[1]は Kanrokoti[2] が2021年8月14日に公開した巨大数表記である。

ハイパー原始ψ関数は拡張ブーフホルツのψ関数に伴う順序数表記の添字にハイパー原始数列を組み込んだ表記である。ネスト表記と数列表記を組み合わせた数少ない表記の一つであり、添字上昇システムを持つ数少ない表記の一つである。ハイパー原始ψ関数はその構成より、\(\psi_0(\psi_{$n}(0))\)がバシク行列システム\((0,0,0)(1,1,1)(2,2,2)(3,3,3) \dots (n,n,n)\)に対応すると考えられている。

定義

表記

ここでは、表記に用いる文字列について定義する。

\(0\)と\(+\)と\(\psi\)と\((\)と\()\)のみからなる文字列の集合\(T\)と\(PT\)を以下のように同時に再帰的に定める:

  1. \(0 \in T\)である。
  2. いかなる\((a,b) \in PT \times (T \setminus \{0\})\)に対しても、\(a+b \in T\)である。
  3. いかなる\((a,b) \in T^2\)に対しても、\(\psi_a(b) \in PT \cap T\)である。


\(0\)を\($0\)と略記し、\(\psi_0(0)\)を\($1\)と略記し、\(n \in (\mathbb{N} \setminus \{0,1\})\)に対し\(\underbrace{$1+ \dots +$1}_{$1がn個}\)を\($n\)と略記し、\(\psi_0($1)\)を\($\omega\)と略記する。


部分集合\(RT \subset T\)と\(RPT \subset PT\)を次のように同時に再帰的に定める:

  1. \(0 \in RT\)である。
  2. いかなる\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)に対しても、\(a+b \in RT\)である。
  3. いかなる\((a,b) \in \mathbb{N} \times RT\)に対しても、\(\psi_{$a}(b) \in RPT \cap RT\)である。


上昇関数

ここでは、上昇関数を定義する。

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \Delta \colon RT \times (\mathbb{N} \setminus \{0\}) \times \mathbb{N} \times \{0,1\} & \to & RT \\ (s,\delta,br,pr) & \mapsto & \Delta(s,\delta,br,pr) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(s = 0\)ならば、\(\Delta(s,\delta,br,pr) := 0\)である。
  2. \(s = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(\Delta(s,\delta,br,pr) := \Delta(a,\delta,br,pr)+\Delta(b,\delta,br,pr)\)である。
  3. \(s = \psi_{$a}(b)\)を満たす\((a,b) \in \mathbb{N} \times RT\)が存在するとする。
    1. \(br \lt a\)ならば、\(\Delta(s,\delta,br,pr) := \psi_{$a+$\delta}(\Delta(b,\delta,br,pr))\)である。
    2. \(br \ge a\)とする。
      1. \(pr = 0\)ならば、\(\Delta(s,\delta,br,pr) := \psi_{$a+$\delta}(\Delta(b,\delta,br,1))\)である。
      2. そうでないならば、\(\Delta(s,\delta,br,pr) := \psi_{$a}(b)\)である。


共終数

ここでは、表記における共終数を定義する。

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \textrm{cp} \colon RT & \to & RT \\ s & \mapsto & \textrm{cp}(s) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(s = 0\)ならば、\(\textrm{cp}(s) := 0\)である。
  2. \(s = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(\textrm{cp}(s) := \textrm{cp}(b)\)である。
  3. \(s = \psi_{$a}(b)\)を満たす\((a,b) \in \mathbb{N} \times RT\)が存在するとする。
    1. \(\textrm{cp}(b) = 0\)ならば、\(\textrm{cp}(s) := s\)である。
    2. \(\textrm{cp}(b) \in \{$1,$\omega\}\)ならば、\(\textrm{cp}(s) := $\omega\)である。
    3. \(\textrm{cp}(b) \notin \{0,$1,$\omega\}\)ならば、\(\textrm{cp}(b) = \psi_{$c}(d)\)を満たす\((c,d) \in \mathbb{N} \times RT\)が存在する。
      1. \(d = 0\)とする。
        1. \(a \lt c\)ならば、\(\textrm{cp}(s) := s\)である。
        2. そうでないならば、\(\textrm{cp}(s) := \textrm{cp}(b)\)である。
      2. \(d \neq 0\)ならば、\(\textrm{cp}(s) := \textrm{cp}(b)\)である。


計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} \textrm{dom} \colon RT & \to & RT \\ s & \mapsto & \textrm{dom}(s) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(s = 0\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := 0\)である。
  2. \(s = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(\textrm{dom}(s) := \textrm{dom}(b)\)である。
  3. \(s = \psi_{$a}(b)\)を満たす\((a,b) \in \mathbb{N} \times RT\)が存在するとする。
    1. \(\textrm{dom}(b) = 0\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := s\)である。
    2. \(\textrm{dom}(b) \in \{$1,$\omega\}\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := $\omega\)である。
    3. \(\textrm{dom}(b) \notin \{0,$1,$\omega\}\)ならば、\(\textrm{dom}(b) = \psi_{$c}(d)\)を満たす\((c,d) \in (\mathbb{N} \setminus \{0\}) \times RT\)が存在する。
      1. \(a \lt c\)ならば、\(\delta_0 := c-a-1\)と置く。
        1. \(\textrm{dom}(d) = 0\)とする。
          1. \(\delta_0 \lt 1\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := $\omega\)である。
          2. そうでないならば、\(\textrm{dom}(s) := s\)である。
        2. そうでないならば、\(\textrm{cp}(b) = \psi_{$e}(f)\)かつ\(\textrm{cp}(f) = \psi_{$g}(0)\)を満たす\((e,f,g) \in (\mathbb{N} \setminus \{0\}) \times RT \times (\mathbb{N} \setminus \{0\})\)が存在する。\(\delta_1 := g-e-1\)と置く。
          1. \(\delta_0 \lt \delta_1\)ならば、\(\textrm{dom}(s) := $\omega\)である。
          2. そうでないならば、\(\textrm{dom}(s) := s\)である。
      2. そうでないならば、\(\textrm{dom}(s) := \textrm{dom}(b)\)である。


基本列

ここでは、表記の基本列を定義する。

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} [ \ ] \colon RT^2 & \to & RT \\ (s,t) & \mapsto & s[t] \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(s = 0\)ならば、\(s[t] := 0\)である。
  2. \(s = a+b\)を満たす\((a,b) \in RPT \times (RT \setminus \{0\})\)が存在するならば、\(b' := b[t]\)と置く。
    1. \(b' = 0\)ならば、\(s[t] := a\)である。
    2. そうでないならば、\(s[t] := a+b'\)である。
  3. \(s = \psi_{$a}(b)\)を満たす\((a,b) \in \mathbb{N} \times RT\)が存在するとする。
    1. \(\textrm{dom}(b) = 0\)ならば、\(s[t] := t\)である。
    2. \(\textrm{dom}(b) = $1\)とする。
      1. \(t = t[0]+$1\)ならば、\(s[t] := s[t[0]]+s[$1]\)である。
      2. そうでないならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[0])\)である。
    3. \(\textrm{dom}(b) = $\omega\)ならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[t])\)である。
    4. \(\textrm{dom}(b) \notin \{0,$1,$\omega\}\)ならば、\(\textrm{dom}(b) = \psi_{$c}(d)\)を満たす\((c,d) \in (\mathbb{N} \setminus \{0\}) \times RT\)が存在する。
      1. \(a \lt c\)ならば、\(\delta_0 := c-a-1\)と置く。
        1. \(\textrm{dom}(d) = 0\)とする。
          1. \(\delta_0 \lt 1\)とする。
            1. \(t = $i\)を満たす\(i \in (\mathbb{N} \setminus \{0\})\)が存在し、かつ\(s[t[0]] = \Gamma\)を満たす\(\Gamma \in RT\)が一意に存在するならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[\Gamma])\)である。
            2. そうでないならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[0])\)である。
          2. \(\delta_0 \ge 1\)とする。
            1. \(t = 0\)ならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[0])\)である。
            2. \(t = $i\)を満たす\(i \in (\mathbb{N} \setminus \{0\})\)が存在し、かつ\(s[t[0]] = \Gamma\)を満たす\(\Gamma \in RT\)が一意に存在するならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[\Delta(\Gamma,\delta_0,a,0)])\)である。
            3. そうでないならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[t])\)である。
        2. そうでないならば、\(\textrm{cp}(b) = \psi_{$e}(f)\)かつ\(\textrm{cp}(f) = \psi_{$g}(0)\)を満たす\((e,f,g) \in (\mathbb{N} \setminus \{0\}) \times RT \times (\mathbb{N} \setminus \{0\})\)が存在する。\(\delta_1 := g-e-1\)と置き、\(\delta_2 := g-a-1\)と置く。
          1. \(\delta_0 \lt \delta_1\)とする。
            1. \(t = $i\)を満たす\(i \in (\mathbb{N} \setminus \{0\})\)が存在し、かつ\(s[t[0]] = \Gamma\)を満たす\(\Gamma \in RT\)が一意に存在するならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[\Delta(\Gamma,\delta_2,a,0)])\)である。
            2. そうでないならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[0])\)である。
          2. \(\delta_0 \ge \delta_1\)とする。
            1. \(t = 0\)ならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[0])\)である。
            2. \(t = $i\)を満たす\(i \in (\mathbb{N} \setminus \{0\})\)が存在し、かつ\(s[t[0]] = \Gamma\)を満たす\(\Gamma \in RT\)が一意に存在するならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[\Delta(\Gamma,\delta_2,a,0)])\)である。
            3. そうでないならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[t])\)である。
      2. そうでないならば、\(s[t] := \psi_{$a}(b[t])\)である。


急増加関数

ここでは、表記を使った急増加関数を定義する。

計算可能部分写像 \begin{eqnarray*} f \colon RT \times \mathbb{N}^2 & \to & \mathbb{N} \\ (s,m,n) & \mapsto & f_s^m(n) \end{eqnarray*} を以下のように再帰的に定める:

  1. \(m = 0\)ならば、\(f_s^m(n) := n\)である。
  2. \(m = 1\)とする。
    1. \(s = 0\)ならば、\(f_s^m(n) := n+1\)である。
    2. \(s \neq 0\)とする。
      1. \(\textrm{dom}(s) = $1\)ならば、\(f_s^m(n) := f_{s[0]}^n(n)\)である。
      2. そうでないならば、\(f_s^m(n) := f_{s[$n]}^1(n)\)である。
  3. \(m \notin \{0,1\}\)ならば、\(f_s^m(n) := f_s^1(f_s^{m-1}(n))\)である。


標準形

ここでは、表記の標準形を定める。

部分集合\(OT \subset RT\)を次のように再帰的に定める:

  1. いかなる\(n \in \mathbb{N}\)に対しても、\(\psi_0(\psi_{$n}(0)) \in OT\)である。
  2. いかなる\((s,n) \in OT \times \mathbb{N}\)に対しても、\(s[$n] \in OT\)である。


命名

計算可能全域写像 \begin{eqnarray*} F \colon \mathbb{N} & \to & \mathbb{N} \\ n & \mapsto & F(n) \end{eqnarray*} を\(F(n) = f_{\psi_0(\psi_{$n}(0))}(n)\)と定める。

Kanrokotiは\(F^{10^{100}}(10^{100})\)を「ハイパー原始ψ数」と名付け、表記の限界に対応する順序数を「Hyper Primitive psi ordinal」(HPPO)と名付けた。


文献


関連項目

日本の巨大数論

Aeton: おこじょ数N成長階層
mrna: 段階配列表記降下段階配列表記多変数段階配列表記横ネスト段階配列表記
Kanrokoti: くまくまψ関数亜原始ψ関数ハイパー原始ψ関数TSS-ψ関数
クロちゃん: 第一クロちゃん数第二クロちゃん数第三クロちゃん数第四クロちゃん数
たろう: 多変数アッカーマン関数2重リストアッカーマン関数多重リストアッカーマン関数
Nayuta Ito: フラン数N原始東方巨大数4の規則の境界を突いた巨大数
バシク: 原始数列数ペア数列数バシク行列システム
長谷川由紀路: 紅魔館のメイドナンバー恋符マスタースパーク数みくみく順序数
108Hassium: E2:B-01-HsE3:B-02-Hs
公太郎: 弱亜ペア数列肉ヒドラ数列弱ハイパーペア数列
p進大好きbot: 超限急増加関数表記拡張ブーフホルツのψ関数に伴う順序数表記四関数三関数巨大数庭園数
ふぃっしゅ: ふぃっしゅ数バージョン1バージョン2バージョン3バージョン4バージョン5バージョン6バージョン7マシモ関数マシモスケールTR関数I0関数
ゆきと: 亜原始数列ハイパー原始数列Y数列
本: 巨大数論寿司虚空編
大会: 東方巨大数幻想巨大数即席巨大数式神巨大数
掲示板: 巨大数探索スレッド名もなき巨大数研究
外部リンク: 日本語の巨大数関連サイト

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