オメガ不動点 (omega fixed point) は\(\alpha = \omega_\alpha\)を満たす順序数、あるいはそのような順序数の中で最小の順序数である。その基数としての呼び方は、アレフ不動点 (aleph fixed point)である。

定義 

順序数全体のなすクラスを\(\text{ON}\)と置くと、オメガ不動点は次のように定義される標準的な関数\(\text{ON} \to \text{ON}, \ \alpha \mapsto \omega_{\alpha}\)の不動点である。

  • \(\omega_0 = \omega\)
  • \(\omega_{\alpha + 1} = \min\{x \in \text{ON} : |x| > |\omega_\alpha|\}\) (濃度が\(\omega_\alpha\)を超える最小の順序数)
  • 極限順序数\(\alpha\) に対して\(\omega_\alpha = \sup\{\omega_\beta : \beta < \alpha\}\)(この階層に現れる、より小さい順序数\(\omega_\beta\)全体の極限)

ラティエンのΦ関数による表記

ラティエンのΦ関数[1]は、次のように定義される。

\[\varPhi_\alpha := \mathrm{Enum}(\{\mu \in \mathrm{CARD}: \forall \eta < \alpha(\varPhi_\eta(\mu) = \mu)\})\]

ここで、CARDは非可算基数のクラス、Enum(S)は順序数のクラスSの要素を0番目から数える数え上げ関数である。

\(\varPhi_0\) は非可算基数を数える関数なので \(\varPhi_0(\xi) = \omega_{1+\xi}\) となる。そして、\(\varPhi_1\) は \(\varPhi_0(\mu) = \mu\) を満たす基数、すなわちオメガ不動点を数える関数となる。すなわち\(\varPhi_1(\alpha)\) は \(\alpha\)番目のオメガ不動点となり、最小のオメガ不動点は\(\varPhi_1(0)\)である。

なお、上記の定義で CARD をAPに変えると、そのままヴェブレン関数の定義となる。

表記の混乱

オメガ不動点が巨大数論において最も馴染み深いのは順序数崩壊関数である。オメガ不動点はGoogology Wikiおよびそのユーザーらによる派生コミュニティにおいて何かしら定義の明示されていないまたは未定義な順序数崩壊関数 \(\psi\) と最小の到達不可能基数 \(I\) を用いて \(\psi_I(0)\) と表現される。しばしばこの順序数崩壊関数はブーフホルツのψ関数やRathjenの弱マーロ基数に基づく順序数崩壊関数やその亜種と混同されるが別物であり、例えばイェーガーのψ関数やイェーガー・ブーフホルツのψ関数では正しくなる。いずれにしても上述したコミュニティにおいてはどのψ関数であるかを明示されずに使われることが多く、使用者に尋ねてもどのψ関数か分からないという返答を受けることが多いため、この表示を見掛けた場合は注意が必要である。

出典

  1. Rathjen, M.: Ordinal notations based on a weakly Mahlo cardinal. Archive for Mathematical Logic 29(4) 249-263 (1990). doi:10.1007/BF01651328 / Author's PDF
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